Macの標準的日本語入力システム「ことえり(=言選り)」。
今回はその「ことえり」の自動学習辞書の修正についてメモしておこうと思います。
■ 自動学習機能とユーザー辞書は別扱い
自動学習機能とは、日常的な入力情報をシステムが文字通り「自動的に学習」し、次回以降の入力の利便性を高めるという目的のためにある基本的な機能です。
ですが、この機能は不要な学習まで延々記録して残してくれるので、以前変換したけど、もうそれを使いたくないというものも変換候補にいつまでも表示されてしまうことがあり、それが不快だということも生じてくるわけです。
私は複数のメアドを「め」と入力した時に一度に候補として表示させるようにユーザー辞書に登録してあるのですが、途中で使用しなくなりアカウントを削除してしまったものもあるわけです。
だからユーザー辞書からはその項目は当然削除します。
ところが、ユーザー辞書で削除しても、システム上では以前にそれを候補として使用したことが「学習」されているので、自動学習辞書からの記録に基づき「め」を打つといつまでも不要なメアドの字列が候補として残ったままになってしまいます。
別にそれでも使用に困ることはないですが、今ひとつ自分で管理できない要素があるというのは気持ちが悪いものです。ですので、それを修正してみます。
■ 自動学習辞書のデータ
学習の履歴は辞書ファイルとして存在しています。
その場所は以下のとおり。
ユーザ/ユーザ名(個別名称)/ライブラリ/Preferences/com.apple.JapaneseAnalysis/LearningDictionary.dict
※「ライブラリ」は不可視フォルダです。
そもそも学習履歴のすべてを不要というのなら、このファイルそのものを削除してしまえばよいのです。それで解決です。
ですが、残しておきたいものがある場合は、やや面倒なプロセスを踏んで不要な項目だけを消してやる必要があります。
■ 自動学習辞書の修正手順
手順1
ことえりメニューの「単語登録/辞書編集」から「ことえり単語登録」を開く![]() |
手順2
ツールバーの「辞書」項目から「新規ユーザ辞書の作成」を選択する |
手順3
ユーザー辞書を任意の名称で作成 ※修正した辞書を保存するための仮ファイルです。ここでは仮に「自動学習辞書」と名付けています。 ![]() デフォルトの保存場所は以下になります。 ユーザ/ユーザ名(個別名称)/ライブラリ/Dictionaries/ |
手順4
「テキストや辞書から取り込む」からオリジナルのLearningDictionary.dictを読み込む![]() |
手順5
なにもせずに読み込んだものをテキストデータとして書き出す 「デスクトップ」「書類」などの任意の場所でOK。 |
手順6
書きだされたデータをテキストエディタなどで開く![]()
ようやくここで辞書の中身を確認することができました。今回の対象はこれまで変換されたメアドの一覧です。
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手順7
自動学習された辞書の内容から不要なものを削除する 目的の物もありましたが、色々とおかしな変換履歴もあったので適当に削って保存。 |
手順8
再度 「ことえり単語登録」に今修正した内容を取り込む これにより、仮ファイルとして辞書が修正されたので、このファイルを ユーザ/ユーザ名(個別名称)/ライブラリ/Preferences/com.apple.JapaneseAnalysis/ に移し、LearningDictionary.dictにファイル名を変更する。 元のデータはバックアップとして保存してもいいし、不要なら上書きしてしまってもよいでしょう。目的に合わせて適宜判断します。 |
手順9
この修正過程で作成したテキストデータなどを削除する ほうっておいてもかまわないのですがですが、邪魔なので一応整理しておきます。 |
これで修正作業は完了です。
変換して表示されないことを確認してみてください。
無事に不要な変換候補が表示されなくなりましたでしょうか?
以上です。