【文具】日記、雑記。書き付ける楽しみとその周辺


今回は雑記帳などについて書いてみます。手帳や文具の紹介というより、雑記のよさとか、それを「よい」と感じる気分についてです。


■ MDノートで日記を

毎日日記や雑記を書き付けるという習慣はもともとなかったのですが、ミドリのMDノートに出会ってからその書き味の良さにやられて日記をつけるようになりました。

デザインフィル MDノート公式サイト



MDノート(文庫本サイズ) 無罫
MDノート(文庫本サイズ) 横罫
MDノート(文庫本サイズ) 方眼

もし気になったらぜひ。少しクリームがかった色合いが目に優しく、万年筆だろうが水性ボールペンだろうがペンを選ばずどんなものでも綺麗にかける優れたノートです。上のリンクは私の好みの文庫本サイズ(A6)だけですが、他にA5サイズ、新書サイズ(B6変形)、A4変形サイズ等のバリエーションがあります。

主に文章を書き付けるので私は横罫を使用していました。普通の横罫とは異なり、見開き4分割にも使えるように横一文字に太線が入っているので、それぞれのコマを1日分にして書いていました。



しかし、これはあくまでノートなので176ページしかありません。つまり4分割で使用しても352日分までしか書けず、かろうじて1年分に満たないのですね。だから1冊1年ときれいにまとまらない。まぁそれでもいいやと連続して3冊ほど使用しました。

1日あたり10行で書きつける短文日記はそれなりに文章を要約して書く訓練になりますし、読み返すのにも適量となるので、日記としてはわりと有効ではありました。

でもいかんせん1日あたりに含めることのできる情報量は少ない。3冊使用したところで「もっと情報をまとめたい」と思うようになり、1日1ページのダイアリーに移行することにしたのが2010年のことです。そして今に至るまで1日1ページ方式で以下のように変遷してきています。

★2010年→ほぼ日手帳(オリジナル/A6サイズ)
★2011年→オリジナル製本ダイアリ(A6サイズ)
★2012年→MD DATE BOOK(A6サイズ)

2012年現在は上の通りA6サイズのMD DATE BOOK(MD ノートダイアリ)というMDシリーズの新製品を日々の記録用に使用しています。


MD DATE BOOK 2012とSWIFT PLANNER 2012

このMD DATE BOOKは2012年版が初登場の製品ですが、カレンダー以外の毎日のページには日付が入っておらず、自分で書き込む方式が採用されています(私は予め日付スタンプで日付を年間分全部押してしまいました)。

1日1ページの中身は、日付、ToDoなどを書き込める箇条項目、それにバーチカル(8〜24時)欄などが予め印刷されており、スケジュール管理や記録等に使用することが想定されています。ほぼ日手帳にやや近い雰囲気でしょうか。

ただスクラップ帳のように使うのには不向きだと思います。MDペーパーは紙質が大変良いのですが、1ページあたりの紙の厚みがしっかりしているので、全体に分厚いためです。ですから使い方としては筆記に徹したほうがよさそうです(結局私はレシートやら何やら貼り付けてしまってますが/苦笑)。

     ● ひとくちメモ ●
      MDノートには製品ラインナップにハードカバー仕様の「MD日記」というものもありましたが、B6サイズなのと、やや立派な装丁だったので、そちらには手を出しませんでした。
      「MD日記」は現在ラインナップから外れ、販売されていないようです。

        1日1ページという記録方式を採用して3年。このスタイルに馴染んでからは記録が苦にならなくなりました。だいたい毎日書く項目を決めてしまえばあとはルーティンです。
        行った場所やその日のトピック、観た映画や購入したものなどを記録することが主ですが、この何気ない記録があとから色々と思い返す際にとても有効です。この備忘録のおかげで何度も救われました。

        毎年使用する製品は異なりますが、1日1ページであること、A6(文庫)サイズであることだけは統一しています。

        ちなみに2013年は高橋書店のポケットダイアリーを使う予定です。


        ■ 自作リングノートの活用


        日記のほか、長文をもっと書きたいという衝動から、別に雑記帳を設けてページ制限なしの書付けも並行して行なっています。当初日記だけだったものを記録(トピック)と雑記(詳述)に分割した形ですね。

        下のようなノートを常備しておいて、いつでも書き込んでいきます。



        このノートは自作した革製の表紙(裏表)に1穴パンチで24穴を丁寧に穿孔し、開閉可能なリヒトラブのツイストリング(ワイド・A5)をあてがったオリジナルツールです。なので、当然お店には売ってません(笑)。

        革製カバーの贅沢なリングノートでも、自作すれば比較的安価にできます。革素材を扱っているお店をみつけ、好きな素材を吟味し、それを加工して作るわけです。

        加工といっても、私の場合、革本来の荒っぽさを生かしたかったので、単に切りっぱなしでヘリにコバ磨きを入れた程度。実に簡単な加工を加えてあるのみです。好きな方はステッチを入れたり、中紙で強度を増したり、色々とデザインを楽しんでも面白いかもしれません。

        まぁとにかく、そうして出来上がった完全カスタマイズリングノートですから、愛着もひとしおです。(作りとしてはMUCUのラインナップに似たものがありますね)

        サイズはトラベラーズノートなどと同じA5スリム。



        ゴムバンドは自分でハトメ処理して装着しました。慣れれば簡単な処理なので、私は手帳やノート、フォルダなど、バラけるのが嫌なものにはだいたいゴムバンド処理をしてます。



        とにかくいくらでも書くので、常時大量にリフィルを用意してあります。書き終えたリフィルは、ある程度溜まった段階で簡易製本してアーカイブ化します。下の画像は書きためたものを無線綴じ製本でまとめたものです。1年半分位の分量で、500枚くらいはあるのかな。数えてはいません。



        いろんなリングノートのリフィルを好みのA5スリム に裁断して使用しているので、まとめるとやや不揃いのリフィルたち(!)になりますが、それも「自作ならではの味わい」です。

        余談ですが、私の場合、こと自筆文書類に関しては「スキャンして廃棄」などという安易な合理化には興味がないので書いたままを気ままに読み返すメモリアルとして大切にしています。


        ■ 書き付ける喜びと価値

        とにかく自分の頭のなかにあることをできるだけ書き付けてゆく。アイデア、できごと、喜び憤り、なんでも。

        紙は物理的存在ですから、書きためてゆけば当然量的質感が出てきます。全て自分の文字でうめつくされた紙の束をパラパラめくってみると、書いた実感が手触りとともにじわりと感じられる。この感じがデジタルにはない良さですね。

        人の編んだ書物や無機質な書類の山にはゲンナリするものですが、自ら編んだものなら時間の経過も含めて価値です。

        記録のとり方や書いたものの取り扱い方は人により千差万別。いろいろな方法があって良いと思っています。今回は私の例のご紹介でした。

        こうした「雑記」に未着手で、かつご興味が湧いた方は、ぜひぜひ好きなノートを使用してはじめてみませんか。
        自由な「雑記」はすごく意義深いですよ。